ギシギシは何のサイン?
- Yoshiharu Seo

- 5月18日
- 読了時間: 2分
2年前のこの畑。2024年6月のワークショップでは、羊が牧草を食べ終えたあとは、ギシギシが一面に広がっていました。

ギシギシがたくさん生えている畑を見ると、「この雑草を敵だ」と思ってしまいますが、レイモンドさんがよく話される言葉があります。「雑草は除草剤が足りないサインではない。何かのメッセージです。」

レイモンドさんは、ニコール・マスターズさんの「5M」からどのように考えたのでしょうか?ただ単に、カバークロップを活用し、土を裸にせず、多様な植物を育てながら土の健康の回復をしたというだけではありません。
ひとつは、カルシウムです。ギシギシが優勢になる土壌では、カルシウムが不足している可能性があり、ギシギシが深く根を伸ばし、土の奥深くからカルシウムを吸い上げて、地表付近に戻そうと働いているという考えです。

カルシウムを施した次の年、昨年(2025)、羊たちがそのギシギシを食べるようになったそうです。確かに食べていました。そして今年は、旺盛に育ったライムギの下で、ギシギシの葉がハムシに食べられ、まるでレースのような網目状態になっていました。やがてそのまま枯れていったのです。
その原因は、土の締まりによる圧縮かもしれませんし、酸素不足かもしれません。カルシウムや微量ミネラルの不足、土壌生物のバランスなど、さまざまな可能性があります。
だから大切なのは、雑草を見つけたらすぐに退治することではなく、「なぜこの草がここに生えているのだろう?」と考えてみること。

そのためには、まず土を掘ってみることです。手で触り、匂いを嗅ぎ、根の張り方を見てみる。土を観察すると、たくさんのヒントが見えてきます。
植物遷移では、イレイン・インガム博士の研究で、土壌炭素との相関することがわかっています。カバークロップや動物を組み込むこと、ミネラルなどの要素を満たしていくことで、自然界のスピードよりも大幅に土壌の変化が起こり、短期間でその雑草が役目を終えたのかもしれません。
イレイン・インガム(Dr. Elaine Ingham、1952年 - 2026年)
アメリカの著名な土壌微生物学者。植物と微生物の相互作用を通じて土壌の健康を回復させる「土壌食物網(ソイル・フード・ウェブ)」の概念を提唱し、「リジェネラティブ農業」の普及に多大な影響を与えた。土壌における菌類(Fungi)と細菌(Bacteria)のバイオマス(生物量)の比率 FB比の提唱者でもある。


